岡山へ移住しちゃった

横浜から岡山の牛窓へ移住した日々の出来事を書き込みます。田舎での暮らしぶりや移住に到るまでなどこれから移住を考える人の参考になれれば嬉しい

-命吹-新たに命を吹き込む

銃声

20181022225530

ー移住ライフー

 

植物を相手にした作業は考え事をするのにもの凄く適している。

雑念が取り払われ、考えたいことだけに意識を集中できる。

何かが研ぎ澄まされていく感覚だ。

 

 

ー生きていることへの感謝を込めてー

 

今日も朝8時から海が見えるガラスハウスで、黙々と植物を相手に作業をしていた。

朝8時に出勤して10時まで作業をして休憩30分と言うのが最近の流れだ。

 

そんな時、大きな破裂音がした。

何かがガラスハウスにぶつかったのか。

 

『なんやろう?今の音』

 

先輩は音の方に向かってガラスハウスの中を歩いていく。

僕も作業を中断して付いていく。

 

すると、今度は続けて大きな破裂音が2回響き渡る。

僕らはガラスハウスを飛び出て、大きな音の元へと走り寄る。

 

「何だ??」

 

先輩が何かを見つけた。

『軽トラが2台止まっとる。猟師か!』

 

 

僕らは軽トラの元へと向かっていく。

すると初老の男性がそこにいた。

 

大きな破裂音の答えは、銃声だった。

それも3発の銃声。

 

こんなすぐそばで、しかも僕らに知らせずに銃声って危なすぎじゃ⁈

と普通に思うが、それは言わないでおく。

 

先輩が何やら猟師さんと話をしているが、方言が強くて僕にはよく聞き取れない。

先輩が教えてくれた。

 

『イノシシや』

 

先輩が猟師さんに、食べたいとか肉が欲しいとか言っている

 

猟師さんは、

 

『良いとこだけ持っていかれい!」

 

多分こんな感じの言葉を言ったと思う。

 

という流れで、僕と猟師さんでイノシシをその場で捌く?解体することになった。

先輩は犬を飼っているから??やりたくないらしい(笑)

 

もう殺してしまったイノシシ。助けることは出来ない。

ならば、美味しく食すのが礼儀か。

 

僕は、進んで手伝った。

それは、好奇心でも何でもなく、ただ単に

 

「僕の心が何を感じるか」知りたかっただけだ。

 

グロいので写真は掲載しないでおく。

 

生暖かいイノシシの足を持って釣り上げる。

猟師さんがサクサク解体していく。

 

まだ生きているのか、時々鳴き声みたいな小さな声が聞こえる。

イノシシの身体がビクってなったりする。

 

猟師さんが、あっち持ってこっち取ってと僕に指示してくる。

この子は出来る子だと認めてくれたのかもしれない(笑)

 

『ここがロース。美味しいよ。』と解説付きの解体ショーだ。

 

猟師さん曰く、イノシシは50キロくらいの大きさがあった。

そこから良いとこだけ20キロくらいさばいてもらった。

脂肪は殆どなく、綺麗な色をしたお肉になった。

 

僕は全然平気だった。

これだったら、ウォーキング・デッドの方が全然グロいし!と普通に思った(笑)

 

僕の心に何か感じるものがあるかな?と内観してみたが、何も感じていなかった。

うん。我事ながら冷静だ。

 

色々なことを感じれるようになるにはもう少し時間が必要みたい。

 

イノシシ肉は、1週間くらい冷凍しておくと殺菌が出来て、臭みが消えて美味しくなると言うことを猟師さんから教えてもらった。

 

残ったイノシシの死骸(死骸と表現するのが良いのかどうか)はどうするんですか??

 

『その辺に捨てられい!』

こんな感じの言葉だったと思う。

 

ほー⁉︎

ワイルド! 

 

僕らだけではイノシシの解体は出来ないので、従うしかない。

なので、先輩と二人で死骸?を山の下へ転がるように落とした。

転がると言っても4〜5メートルなので、その姿を見ることが出来る。

 

猟師さんから頂いたお肉を綺麗にしていく。

綺麗にするとは、毛を取り除くのだ。

 

家に持ち帰って、料理するのは多分奥様方。

きっと嫌がるだろうな。

と考え丁寧に毛を取り除いた。

 

お肉の塊を4つに分けてラップを巻いて冷凍庫にしまっておいた。

 

イノシシさん。

貴重な命を、貴重な経験をありがとうございます。

あなたの命は決して無駄にしません。

美味しく食させて頂きます。

 

 

話を聞いてもう一人先輩がイノシシ肉を取りに来た。

お仕事そっちのけで笑い話に花が咲く。

なんて賑やかな職場なんだろう。

  

夜は「ワッカ」でイベントがあるからしゅんくんおいでよ

 

ってイベントに誘ってくれた。

 

17時に仕事を終えて、いつものように銭湯に行って、そしてワッカに行ってみた。

 

この建物の中にライブハウス!?

え!?広っ!!

お店が出店してる!

ここって、ワッカの人たちの寮じゃなかったの??

 

美味しいカレーを食べて、先輩と合流してお酒を嗜む。

 

いろんな人が声を掛けてくれる。

嬉しいな。

初めて来た場所なのに、知った顔ぶればかりなのは田舎ならではと言えよう。

 

そして、新たな出会い。

だんだん馴染んで来た気がする。

 

素敵な場所だ〜。

すっかりイノシシのことなど頭から消えてしまった。

なんて愉快な毎日なのだろう。

 

 

- 追記-

「ワッカ」とはWACCA FARMのこと。

詳しくはこちら↓

 

wacca-farm.tumblr.com

 

使用させてもらっている画像はWACCA FARMの著作物なので、無断での転用はご遠慮ください。