『才能と化学変化』ー真備は今ー
7月初旬に降り続いた大雨の影響で、河川が決壊し「真備」は水の中に沈むこととなった。(「沈む」という言葉を用いたが、もっと適切な言葉があるかもしれない)
岡山県は「晴れの国」と呼ばれている。
原発が無く、災害も無いという『神話』もあり、移住を考える人には人気の場所。
災害(水害)は、そんな岡山県で突然起きた。
それは奇しくも、「僕」が岡山県にやって来てわずか1週間後の事だった。
突然の災害から4ヶ月もの時が流れた。
ー真備は今ー
「お父さん」(「キヨ」のお父さんをそう呼ばせてもらっている)と一緒に、「コメリ」に工具を買いに行った。
道中、目を疑いたくなる光景が飛び込んでくる。
「ジュンク堂」が真備から撤退したことはニュースで知っていたが、看板を残してもぬけの殻の状態でそこに存在していた。
(この大きな敷地の後に入る企業はあるのだろうか?)
重機が家を壊していた。
それもあちこちで。
「お父さん」に聞くと更地にする場合には、倉敷市が全額負担してくれるらしい。
きっと、「この土地にはもう住めない」と判断された方が家を壊す決断をされたのだろう。
既に更地になった場所もあちこちにあった。
(順番で家を壊しているのだろう。)
民家の多くは土壁で出来ているので、壁がスッカスカの状態で存在しているが人の気配は感じない。
『ちょっ!ちょっと!お父さん。
これってこのままじゃゴーストタウンになるんじゃ・・。』
大金の身銭を投じて家を直さねばならぬのならば、それが最良の選択と言えるのかとても判断に迷う・・。
これが水害から4ヶ月経った真備の現状だ。
もちろん、「光」もある。
セブンイレブンやファミリーマートはいち早く営業を再開し、地域の拠り所になっている。
コメリもそうだ。コメリが営業を再開してくれていなければ、遠くまで工具を買いにいかねばならない。
地元?の企業さんだって頑張っている。
復興支援価格って(汗)
あなたも支援を受ける立場でしょう!!と突っ込みたくなる。
岡山市でも瀬戸内市でも、この価格でガソリンを入れられるスタンドは無い。
リッター10円〜20円くらい安いのでは無いだろうか。
少しでもお金を真備に落とそうと決めた。
そんな状況の中だが、僕は僕の出来ることに集中すると決めている。
料理が出来る人は、「炊き出し」をやればいい
音楽が出来るならば、「演奏会」を
修理が出来るなら、素材はいくらでもある。
才能にはいくつもの形がある。
それぞれが才能を持ち寄れば、思わぬことが生み出されるかもしれない。
繋がりは化学変化を起こす
僕の「才能」は言うまでも無く子どもに関することだ。
子どもと遊んだり、子どもと話したり、相談に乗ったり、勉強を教えたり etc
子どもと遊ぶという支援をしているのは、とても自然な流れだ。
僕にはちょっとしたポリシーがある。
子どもが笑うと家の中が明るくなるんだ。
お母さんもお父さんも笑うんだ。
「お父さん、お母さん、あのね、今日ね、
こんなことがあったんだよ。」って
子どもが笑顔いっぱいに話す材料を提供しようじゃ無いか。
と言うことで、今日も真備総合公園で汗だくになるまで走った。
「先生!先生!こっちだよ!」
ー追記①ー
今日は「お母さん」(「キヨ」のお母さんをそう呼んでいる)から、帰り際に「晩御飯のおかず」を頂いてしまった。
「お母さん」用意してくれてたんだ。
朝早くから作ったのかな
夜遅くに作ったのかな
その気持ちが凄く嬉しい。
ー追記②ー
10月13日(土)は、またディアナが来てくれるみたい。
ディアナを迎える時、子ども達と一緒に[peekaboo(いないいないばあ)]をしたらディアナは笑ってくれるかな。
10月14日(日)は、真備にモンパチ(モンゴル800)の「キヨサク」がやってくる。
もし会うことが出来たら、僕が大学生の時以来だ。
覚えてくれているだろうか。